⑥ 総合的視点

ウェビナー費用の相場

ゼロ円で始める構成と外注の内訳、有料ウェビナーの価格設定

この記事の結論

ウェビナーの開催費用は、配信ツール・申込フォーム・告知を無料枠で済ませれば「ゼロ円+自分の時間」で始められ、外注すると小規模でも1回5万〜30万円、配信スタジオを使うと30〜50万円が相場です。初回は自社で開催して30〜50人規模の手応えを確かめ、月1回以上続けると決めてから外注やツールの有料化を検討する順番が、費用の無駄がありません。有料ウェビナーにする場合は、オンラインでは1,000〜5,000円の価格帯が一般的で、決済手数料を差し引いた手取りで採算を計算します。

本記事は2026年9月時点の情報を、2026年9月28日に一部更新しました(ツールの料金は変更される可能性があります)。ウェビナー全体の流れは親記事 初めてウェビナーを担当する人の全体像 を参照してください。

ウェビナーの費用は、何にいくらかかるの?

費用は「ツール」「集客」「講師」「機材」「運営」の5つに分かれ、自社開催なら大半をゼロにでき、外注した瞬間に数万円単位で増えます。BtoB企業のウェビナー担当者100名への調査で「コスト」を課題に挙げたのは21%で、テーマ(47%)や集客(36%)より少数です(IDEATECH、2023年4月)。費用は工夫で下げられる一方、テーマと集客は費用をかけても解決しにくい、という構図です。

費目 自社開催の場合 外注・有料化した場合の目安 情報入手先
配信ツール 無料枠(後述) 月額数千円〜数万円 マジセミ
申込フォーム・LP 無料枠(後述) LP外注は数万〜50万円 マジセミ
集客(メール・SNS) ほぼ無料 プレスリリース1本2〜3万円、Web広告は月16〜50万円程度、集客代行は1件あたり2〜3万円 マジセミ
講師・登壇者 社内登壇なら無料 外部講師5〜10万円、専門家は1時間10〜30万円が中心 マジセミ、コーエンプラス
配信機材 手持ちのPC・イヤホンマイク 機材一式4〜20万円、スタジオは1時間2〜10万円 マジセミ
運営スタッフ 自社2名(司会+配信) 配信オペレーター外注で数万円 マジセミ

マジセミは規模別の総額として、小規模(〜100名)5万〜20万円、中規模(数百名)30万〜150万円、大規模(1,000名以上)100万〜500万円以上を示しています。初回の30〜50名規模なら、この表の左列だけで成立します。

ゼロ円で始めるには、どの構成にすればいい?

配信は「Zoom無料版(40分)」「Google Meet無料版(60分)」「Microsoft Teams無料版(60分)」のどれか、申込はGoogleフォーム、告知はメールとSNS、という構成なら、外部への追加支出は0円で開催できます。ただし0円なのは外部への支払いだけで、企画から当日運営までの担当者の作業時間(社内の人件費)は別にかかります。

無料構成(外部への追加支出0円)

工程 無料で使えるもの(2026年9月時点) 時間の上限 参加人数の上限 録画・レポート機能
配信 Zoom(無料のベーシックプラン) ホストが無料版だと1回40分まで 100名まで ローカル録画のみ(クラウド録画は有料プラン)。参加者レポートは簡易表示
配信 Google Meet(無料のGoogleアカウント) グループ通話は最長60分 100名まで 録画機能は無料アカウントでは利用不可(有料のGoogle Workspaceが必要)
配信 Microsoft Teams(無料) 会議は最長60分 100名まで 録画機能は対応ライセンスが必要(無料版では制限あり)
申込フォーム Googleフォーム 実用上の制限なし 実用上の制限なし 回答のコピー送信のみ(カスタム自動返信は非対応)
申込フォーム formrun FREEプラン 実用上の制限なし フォーム1個・回答は月30件まで カスタム自動返信に対応
告知 自社メール、X、LinkedIn、Facebook — — 届く範囲は自社リストとフォロワーに限る
有料チケット・告知 Peatix — — 無料イベントは初期費用・月額0円。有料チケットのみ手数料(後述)

時間制限の制約

配信ツールごとに無料版の時間上限が異なる点に注意してください。Zoom無料版は40分までなので、40分を超える構成(45分や60分)をそのまま当てはめることはできません。45〜60分で開催したい場合は、Google Meet・Teamsの無料版(いずれも60分まで)を使うか、Zoomの有料プランに切り替えます。時間配分は 60分ウェビナーの構成と時間配分 を参照し、使う配信ツールの上限に合わせて設計してください。

内部工数(社内の人件費)

見落としがちなのが自社の人件費です。企画からフォローまで1人で担うと、初回は20〜30時間程度かかります【仮説:私たちがサービス設計時に置いた標準作業時間で、実測データではありません】。外部への支出がゼロでも、この作業時間には人件費相当のコストがかかっている点を社内の費用対効果の判断に含めてください。作業時間を短くする方法は AIでウェビナーの企画・LP・進行案を作る方法 にまとめています。

自社開催のまま有料プランに切り替える場合の順番は「配信ツール→申込フォーム」で、月1回以上開催するようになってからで十分です。Zoom Webinars(出席者500名からのライセンス)の月額は公式の料金ページで確認してください(第三者のマジセミ記事では2025年8月時点で500名まで月額1万円前後と紹介されています)。formrunの有料プランは単月契約で月3,880円(税抜)からで、フォーム5個・回答は月100件/フォームです(2026年9月時点)。初回は参加者が使い慣れているツールを選ぶのが、トラブル対策としても最も効きます(ウェビナーのよくあるトラブルと対策 を参照)。

AI WEBINAR DIRECTOR企画案と告知・申込ページのたたき台を、AIが約5分で作成しますやりたいことを書くだけで使えます無料でWebセミナーを作ってみる →

外注する場合の内訳と相場はいくら?

外注は「集客だけ」「運営だけ」「配信スタジオ」「まるごと」の4段階があり、1回あたり5万〜150万円と幅があります。以下はローカルマーケティングパートナーズ(2026年3月公開、5月ファクトチェック)の整理をもとにした相場です。BPO型は企画から事務局まで一括で委託する形を指します。

外注の型 相場(1回あたり) 任せる範囲 向いている状況
集客特化型 1リード1万〜1.5万円(成果報酬) 申込者の獲得のみ 内容は作れるが自社リストが少ない
運営代行型 2〜30万円 当日の配信操作、事務局対応 社内に配信担当を置けない
スタジオ・配信型 30〜50万円 スタジオ、カメラ、音声、配信 画質・音質を重視する大規模回
BPO型 25〜150万円 企画・集客・運営・フォローを一括 月数回の定期開催を丸ごと任せたい
講師外注 5〜10万円(専門家は1時間10〜30万円) 登壇 社内に話せる人がいない

上表の相場は「任せる範囲」によって大きく変わるため、そのまま予算として使わず、同じ依頼内容で2〜3社に相見積もりを取って比較してください。外注を検討する分岐点は「月1回以上、継続して開く」と決めたときです。単発なら自社開催のほうが安く、継続なら担当者の時間を企画とフォローに回すために運営を外に出す、という考え方になります。外部講師への依頼文と謝礼の相場は 登壇者の依頼メール例文と謝礼の相場 を参照してください。

有料ウェビナーの価格はいくらに設定すればいい?

オンラインの有料ウェビナーは1,000〜3,000円が一般的で、初心者向けの2時間講座なら3,000〜5,000円が多い価格帯です。NECネッツエスアイ(2023年4月更新)は、対面の有料セミナーの相場3,000〜8,000円に対し、有料配信のオンラインセミナーは1,000〜3,000円程度が一般的としています。セミナーベース(2024年1月)は下表の料金表を示し、3,000円の設定が最も多いとしています(根拠データの記載はなく、同社の観察です)。

種類 価格帯の目安 情報入手先
有料配信のオンラインセミナー全般 1,000〜3,000円 NECネッツエスアイ
初心者向け講座(2時間) 3,000〜5,000円 セミナーベース
専門知識を深める回(3時間) 5,000〜10,000円 セミナーベース
課題解決特化・少人数(2〜3時間) 8,000〜15,000円 セミナーベース
企業向け研修(BtoB) 1人あたり2万〜3万円 V-CUBE

V-CUBE(2026年6月)は価格の決め方として、原価から算出、受講者が得る利益から逆算、相場を参考にする、後続の商品(バックエンド)の成約から逆算、の4つを挙げています。個人講師や士業の方が集客目的で開く場合は、後続の講座や個別相談への入口として1,000〜3,000円に置くのが定石です。

決済手数料を引くと、手取りはいくら?

有料にする場合、決済手数料が売上の3.6〜10%程度引かれる前提で価格を決めます。Peatixの有料チケットは販売手数料が4.9%+99円/枚、Stripeでカード決済を自前で組み込む場合は決済成功1回あたり3.6%です(いずれも公式ページ、2026年9月20日確認)。3.6%はStripeの標準的なオンラインカード決済の率で、カードの種類・海外発行カード・銀行振込等の別決済手段・消費税の扱い・振込手数料によって実際の手取りは変わるため、全ての決済に一律で当てはまる数字ではありません。

例: 参加費3,000円×30名 Peatix Stripe
売上 90,000円 90,000円
手数料 4,410円+2,970円=7,380円 3,240円
手取り(振込手数料等を除く) 82,620円 86,760円

Peatixは告知サイトとしての流入と決済を兼ねられ、Stripeは自社LPに決済を組み込む手間がかかる、という違いです。有料にすると申込のハードルは上がる一方、お金を払った人は当日参加しやすいと考えられます【仮説:有料・無料別の参加率を示す統計は確認できていません】。無料回の参加率の目安は ウェビナーの参加者数の平均 を参照してください。

無料と有料、どちらで開くべき?

BtoB企業で見込み客リストの獲得や認知が目的なら無料、個人講師・士業・教室で「教える内容そのもの」が商品なら有料、が基本の分け方です。無料は申込数が最大になる代わりに当日参加は半分程度にとどまり、有料は申込数が減る代わりに参加者の本気度が上がります。次の商品が個別相談やトライアルなら無料、本講座や顧問契約なら有料、と後続の商品から逆算しても同じ結論になります。

無料で開く場合の目標設定は ウェビナーのKPI設計、中小企業が少人数・低予算で商談につなげる考え方は 中小企業がウェビナーを始める前に知るべきこと を参照してください。

この工程をAIで下書きする

費用は「配信ツール・集客手段・KPI」の3つを決めた時点でほぼ確定します。AIウェビナーディレクター では、やりたい内容を入力すると、KPI・集客・配信(Teams・Google Meet・Zoom)・フォローを選ぶ実施方法と、料金欄を含むLP案のたたき台が生成されるので、その選択結果を本記事の費目表に当てはめれば初回の見積もりが1枚にまとまります。ツールの契約や決済の設定は各サービス側で行う作業で、生成されるのは企画案・実施方法・LP案までです。

出典

執筆: AIウェビナーディレクター編集部(Aiberry)。公開日 2026年9月20日。

AIがウェビナー準備をサポートAIがサポートするので、誰でもwebinarの成功に近づけます。無料でWebセミナーを作ってみる →