⑥ 総合的視点

ウェビナーのKPI設計

申込数・参加率・商談化率の目安と効果測定の手順【2026年版】

この記事の結論

ウェビナーのKPI(中間指標)は「申込数・参加率・商談化率」の3つを軸にし、KGI(最終目標)を商談数か受注数の1つに絞ると、効果測定が1枚の表で済みます。目安は参加率が5割前後、集客から商談への転換率が3〜4%で、初回はこの水準を下回っても条件次第で十分に挽回できます。本記事は2026年9月時点の情報で、KPIの目安を出典付きの表にし、効果測定の手順と商談につながるアンケートの質問例を載せています。

KPIを企画書に落とし込む方法は ウェビナー企画書テンプレート、ウェビナー全体の流れは親記事 初めてウェビナーを担当する人の全体像 をご覧ください。

ウェビナーのKPIは何を測ればいい?KGIとの違いは?

KGIは「ウェビナーで最終的に得たい成果」で1つ、KPIは「そこに至る途中の数字」で3〜5個に絞ります。申込から受注までは一本の流れ(ファネル:段階ごとに人数が絞られていく漏斗の形)なので、各段階の人数と、段階間の転換率を記録すれば全体が見えます。

段階 指標 計算 測る時期
集客 配信数・LP訪問数・申込数 申込数÷LP訪問数=申込率 告知開始〜開催当日
参加 当日参加数・参加率 参加数÷申込数 開催当日
視聴(割合) 平均視聴割合 視聴時間÷配信時間 開催当日
視聴(離脱) 離脱率 終了前に退出した人数÷対象視聴者数(参加者数) 開催当日
反応 アンケート回答率・相談希望数 回答数÷参加数 開催当日〜翌日
商談 商談数・商談化率 商談数÷参加数(または申込数) 開催後1〜4週間
受注(KGI) 受注数・受注率 受注数÷商談数 開催後1〜3か月

商談化率は「参加数に対する割合」と「申込数に対する割合」のどちらで計算するかで数字が倍近く変わります。社内で比較するときは、どちらかに統一してください。本記事では、出典が明示している分母に合わせて表記しています。

参加率の目安は?申込者の何割が当日来る?

参加率(申込者のうち当日参加した人の割合)の目安は5割前後です。海外調査の平均は47.7%、国内の取引先調査では68.22%と幅があり、国内BtoBの社内リスト中心の案内では海外平均より高く出る傾向があります。初回のKPIとしては「50%」を置くのが無難です。

海外調査の参加率

Livestorm社が2025年に開催された33,786件・登録706万件を分析した報告(2026年9月)では、平均参加率は47.7%で、2024年の48.9%からわずかに下がっています。同社の別記事(曜日別の集計)では火曜日の参加率が51.7%で最も高いと報告されていますが、これは月別集計とは別の分析軸のため、単純に「曜日を変えると9ポイント上がる」といった同一条件の効果差としては読めません。

出典 参加率 条件
Livestorm(2026年9月) 47.7% 2025年開催の33,786件の平均(月別集計)
Livestorm(2026年9月・曜日別記事) 51.7%(火曜日が最高) 曜日別集計。月別集計とは別の分析軸
Livestorm(2026年9月) 1回あたり登録175人・参加83人 月別集計の平均値

国内調査の参加率

国内では、アイティメディアの取引先238社への調査(2022年3月)で平均68.22%という数字があります。調査対象がIT・製造・流通の取引先238社に限られる点に注意してください。

出典 参加率 条件
アイティメディア(2022年3月) 68.22% 国内IT・製造・流通の取引先238社の回答
OTSUNAGI(2026年2月更新) 単独開催70〜80%、共催50〜70% ウェビナー支援会社が示す目安。根拠となる調査の記載はなし

参加率を上げる具体策は ウェビナー参加率を上げる10の方法、曜日と時間帯は ウェビナーは何曜日の何時が良い? をご覧ください。

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商談化率の目安は?参加者の何割が商談になる?

商談化率の目安は、集客数に対して3〜4%、企画がターゲットに合っていれば参加者の1〜3割です。ネクプロの調査では、集客から商談への転換率は3.45%で、そこからさらに商談が受注に至る割合は25.2%と、商談と受注は別の段階として分けて計算します。

公開調査データに基づく目安(ネクプロ調査)

ネクプロの2025年5月の調査(146名回答)では、ウェビナー経由で月1件以上受注している企業の平均は「集客から商談への転換率3.45%、商談から受注への転換率25.2%」でした。月間平均集客が約300人の企業に当てはめると、商談は約10件、そこから受注に至るのは約2〜3件という計算になります(300×3.45%≈10件、10件×25.2%≈2〜3件)。

段階 分母 計算 目安の件数 確認する時期
集客→商談 月間集客数(例:約300人) 集客数×3.45% 約10件 開催後1〜4週間
商談→受注 商談数(例:約10件) 商談数×25.2% 約2〜3件 開催後1〜3か月
集客→受注(参考) 月間集客数(例:約300人) 集客数×3.45%×25.2% 約2〜3件 開催後1〜3か月

他社データとの比較

出典 商談化率 分母・条件
ネクプロ(2025年5月) 3.45% 集客数に対する商談数。月1件以上受注している企業の平均
ネクプロ(2025年5月) 受注率25.2% 商談数に対する受注数。同上
b-pos/ENVY(2025年3月) 企画スコア低0%・普通7.8%・高28.1% 2024年に開催代行した1,311件。分母は同社の集計基準による
OTSUNAGI(2026年2月更新) 10〜20% ウェビナー支援会社が示すBtoB単独開催の目安。根拠となる調査の記載はなし

同じ調査で、ウェビナー経由で月1件以上受注している企業は2024年の34.3%から2025年には60.9%に増えています。企画スコアで商談化率が0%から28.1%まで開くというb-posの分析は、商談化率がフォローの巧拙より企画の段階で決まりやすいことを示しています。テーマの合わせ方は ウェビナーのテーマの決め方 で解説しています。

初回の設定方法(仮説)

上記はいずれも各社が公表した調査データの平均値で、初回開催にそのまま当てはまるとは限りません。実績がない段階の目安として【仮説】「参加20人から商談2件(10%)」程度を置き、開催後は自社の実績値に置き換えてください。条件が合えば実績はこの仮説を上回ることも下回ることもあります。

効果測定は、どの順番で何をすればいい?

効果測定は「開催前に記録表を作る→当日に参加データを保存する→翌日にアンケートを集計する→1週間後に商談数を営業と突き合わせる→1か月後に受注を確認する」の5手順です。開催後に数字を集め始めると、配信ツールのログやLPの訪問数が取れなくなっていることがあるため、記録表は告知開始前に用意します。

手順 時期 やること 取れるデータの場所
1 告知開始前 記録表を作り、KGI・KPIの目標値を書く 企画書
2 告知期間中 配信数・開封数・LP訪問数・申込数を週1回記録 メール配信ツール、アクセス解析
3 開催当日 参加者リスト・視聴時間・チャットの質問を保存 配信ツールのレポート
4 翌日〜3日後 アンケートを集計し、相談希望者を営業に渡す フォーム、アンケートツール
5 1〜4週間後 参加者ごとの商談・受注を営業と突き合わせ、転換率を計算 営業管理表、SFA(営業支援システム)

記録表は、申込者1人1行で「氏名・会社・申込日・参加/欠席・視聴時間・アンケート回答・相談希望・商談日・受注」を横に並べる形が最も扱いやすい形です。この形にしておくと、参加者と欠席者の商談化率の違いや、視聴時間の長さと商談の関係が、後から並べ替えるだけで分かります。

商談につながるアンケートの質問は、どう作ればいい?

アンケートは「満足度・知りたかった内容・検討状況・相談希望・次回テーマ」の5項目を軸に、7問以内で作ります。商談につながるのは検討状況と相談希望の2問で、「検討時期が近い」かつ「個別相談を希望」の回答者は当日中に営業へ渡します。回答率は設問数に大きく左右され、イベント管理ツールを提供するEventHubは、自社ウェビナーでの回答率が平均70%以上、最高87%と公表しています(2023年11月)。数字は同社の運営ノウハウとツールの導線を前提にしたもので、一般的な水準ではありませんが、終了直後に画面とチャットでURLを出し、回答時間を1〜2分取るだけでも回答率は変わります。

質問の作り方・7問のテンプレート・回答率を上げる工夫は ウェビナーアンケートの質問項目例 にまとめています。本記事では商談化率の計算に使う「検討状況」「相談希望」の2問だけを押さえれば十分です。アンケートの案内文とフォローメールの例文は ウェビナー後のフォローメール例文 にあります。

KPIが目標に届かないとき、どこから直せばいい?

未達の段階によって直す場所が違い、「申込が少ない→企画と告知」「参加率が低い→リマインドと日時」「商談化率が低い→テーマとフォロー」の対応で見ます。全部を一度に直すのではなく、ファネルの上から1つずつ直すほうが、次回に何が効いたか分かります。

未達の指標 主な原因 直す場所 詳しい記事
申込数 ターゲットが広い、告知が1回、件名が弱い テーマ・タイトル・告知回数 人が集まらない原因10
参加率 リマインドなし、日時が合わない 前日・当日のリマインド、曜日と時間帯 参加率を上げる10の方法
視聴時間 本編が長い、20分以上の区切りがない 時間配分、スライドの枚数 構成と時間配分
アンケート回答率 設問が多い、終了後に案内 7問以内、終了前に回答時間を取る 本記事
商談化率 テーマが検討段階に合っていない、フォローが遅い ペルソナ、翌営業日までのフォロー フォローメール例文

参加率が5割を切っても、視聴時間が長くアンケートの相談希望が多ければ、商談数は目標に届くことがあります。KPIは単独の数字で判断せず、次の段階の数字と合わせて見てください。

出典

執筆: AIウェビナーディレクター編集部(Aiberry)。公開日 2026年9月20日。


KPIの選択(参加人数・見込み客リスト獲得数・個別面談や商談数・最終成約数)と、アンケートを含むフォロー方法の選択は、AIウェビナーディレクター の実施方法を決める工程に含まれていて、選んだ内容が実施計画書のたたき台に反映されます。数字の記録や配信ツールからのデータ取得は主催者側で行いますが、企画の段階でKPIと測り方を決めておくと、この記事の記録表を開催前に用意できます。

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